徒然なるままに PR

ブラインドサッカーってご存知ですか? 続き

昨日の続きです。
グランドで同じチームの方や他のチームの方と出会いました。
関係者の方と、ゴールキーパーの方は目が見えます。
それ以外の選手は I さん(私が声を掛けさせて頂いた方)と同じ
視覚障害を持たれた方です。
「お昼はどうされますか?」
と聞かれたのですが、試合が始まったらどこかで適当に買って来て、
試合を観ながら食べようと思いましたので、適当に済ませますと返事しました。
(朝にみかんを1つ食べただけなので既におなかぺこぺこです。)
そんな事より少し気になっていた事が、
来る途中にぽつりぽつりしていた雨が、ちょっとあやしくなってきたのです。
関係者の方達が集まって臨時会議が始まりました。
結局、前半20分、後半20分のところ、
20分の一発勝負にして、早く終わらせようという案に決定しました。
(よかったです。ここまで来て観る事ができないのは残念です。
もちろん選手の方もせっかく来たからには試合をしたいでしょう)
ちなみに今回は3チームの参加で総当たり戦です。
合計試合数は3試合、1チームは2回試合を行う事になります。
ユニフォームに着替える間、横で待っていると
関係者の方が近寄ってきて私にこう言いました。
「すいませんが壁になって頂けますか?」
「えっ、壁ですか?」
正式なコートにはコートの幅に合わせた壁があるそうです。
ぶつかる事もあるみたいですが、ボールが外に出る事はありません。
でも今回は広いグランドに線を引いて行うので壁がありません。
なので、壁の代わりになる人(ボランティア)が必要みたいです。
壁になる人の役割は、
選手が近づいてきたら「かべ、かべ」と言う。
ボールが出そうになったら壁になったつもりで跳ね返す(蹴る)
この2つです。簡単にできそうです。
二つ返事でやらせて頂く事にしました。
ここで少し詳しくブラインドサッカーについて解説します。
選手はゴールキーパーとフィールド選手4人の計5人で行います。
それからコーチ(試合中選手の動きを指示します)
あと“コーラー“と呼ばれる方がいます。
(この方は、ゴールの後ろでゴールの位置やシュートのタイミングを伝えます)
ユニフォームですが、下から専用のシューズと専用のソックス。
ソックスの中には、すねが当たっても痛くないように厚手のパットみたいなものを入れます。
ズボンとシャツは通常のサッカーとほぼ同じです。
これで終わりではありません。
頭にはぶつかっても怪我をしないように、保護をするものが巻かれます。
それからアイマスク。
これは完全に公平を期す為に付けるそうです。
ルールに関しては普通のサッカーとほぼ同じような感じですが、
キーパーの手の使えるエリアがとても狭かったのが特徴的でした。
しかもこのエリアからキーパーは一歩も出てはいけないのです。
雨が少し強くなってきたのですが、試合が始まりました。
コートサイドには壁をする人が私を含め10人立っています。
練習の風景も少し見ていたのですが、ドリブルはボールが見えてるの?
と思うくらい上手です。しかも速いです。
通常のドリブルは何歩か走ってボールを1回蹴りますが、
一歩ずつ右足と左足でボールを交互に蹴りながら前に進むといった感じです。
特にシュートを決めた時は見事でした。
ボールが見えているのかと思うくらいです。
このブラインドサッカーの試合、
今回は周りで応援する人はあまりいなかったのですが、
試合中の声援はよくないらしいです。
肝心な音や声が聞こえなくなるからです。
ただ残念な事に、グランドのすぐ横が道路になっていて、
車の音がちょっと邪魔をしたみたいです。
これは仕方ないですけどね。
(必要以上に音を出している車には少し腹が立ちましたが)
最後の試合をする頃には雨は本降りになってきました。
転倒するシーンが何回もあるこの試合です。
みなさんのユニフォームは泥だらけです。
それにも関わらず、お構いなしに懸命にボールを追いかける姿を見ていると、
だんだん涙が出そうになってきました。
I さんのいるチームは残念ながら一敗してしまったのですが、
他のチームのみなさんも含め、終わった後はとても充実した顔をされていました。
グランドをあとにし帰る準備をします。
シューズとどろどろのユニフォームはそれぞれの袋に入れられ、
きちんとバッグに収納されます。
着替えにかかる時間は私たちとそれほど変わらないのではないでしょうか。
最後に代表の方(フィールド選手です。)の挨拶とボランティアの方々へのお礼があり、
今回の試合は締めくくられました。
帰り道
駅までの20分と私が乗り換える駅まで
また I さんとご一緒させて頂きました。
メールアドレスも交換しました。
今日は一度家に帰り、夜はお仕事だそうです。
I さんと分かれてから一人になり、いろいろ考えました。
ブラインドサッカーを見る事ができたのはもちろん良かったですが、
何より少しでもボランティアをする事が出来た事が自分にとって大きかったです。
でも反面、この補助や介助を毎日されている方は大変なんだろうなと思いました。
また、福祉のまちづくりと言われてもう何年も経ちますが
その整備はまだまだ十分ではない事。
せっかく整備をしているのにきちんと活かされていない事。
これらの問題は、建築に携わっている私達の任務として
きちんと向かい合っていかなければいけないと思いました。
家に着くとどっと疲れが、
いや、疲れではないみたいです。おなかが空いているのでした。
だって今日は朝からみかん1つだけ。
時計を見るとあと数分で5時になるところでした。
20101031140907.jpg
ブラインドサッカーを行っている様子です。
写真だとちょっとわかりにくいので、ネットで動画を探してみました。

http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=1316561
kannaでした。 足跡