建築四方山話 PR

手すり って一口に言っても

手すりと聞いて、どのような形状を思い出しますでしょうか。
手すりって、
目的によっていくつかの種類がありますよね。
1つは、歩行補助のための手すり。
階段やスロープ、廊下などに付いている手すりです。
特に、平坦な通路ではないところ、段差や傾斜がある部分に
安全に歩けるよう設けられています。
病院の廊下にも必ずありますよね。
この手すりは、子どもやお年寄りの方が多く使いますので
比較的低い位置に設けることになります。
階段などは、高いものと低いものの2段にしているところもあります。
もう1つは、転落防止のための手すりです。
バルコニーや吹抜けに面した部分、屋上などに設けます。
この手すりは、人の重心よりも高くする必要があります。
また、板状ではなく、格子などにする場合は、すき間に注意しなければいけません。
特に不特定多数が利用する建物などは、しっかりとその安全を確保する必要があります。
自宅に設ける場合は比較的自由なデザインができます。
例えば、縦格子ではなく横格子にしたり、そのすき間を大きくしたりです。
(横格子は、足がかりになりますので、子どもが登る可能性があるのです。)
最後は、立ち上がったり座る時に使う手すりです。便所や浴室に設けます。
この手すりは、しっかりと握る必要がありますので、比較的細めです。
また、縦に設けたり、L型に設けたりします。
使う人が限られている場合は、その位置が重要です。
右側か左側か、また、高さや距離など。
太さや素材なども考える必要がありますよ。
講座を行なっていると、
身体障がい者=手すり
身体障がい者=車いす
など、反射的に結び付けてしまう人がいますが
例えば、車いすの方にとっては、一番はじめの歩行補助のための手すりはあまり必要ありません。
住宅の廊下に手すりを設けても、かえってじゃまになる場合があります。
公共施設は、全ての方が使いやすくなるよう考えますが
個人住宅の場合は、住む人が限られています。
その方に応じた、住環境を考えることが必要と言えます。
kanna 足跡