ニ級建築士 製図試験 PR

第十二話 いざ製図試験へ その5

そこからしばらくしたところでまたもや異変に気付かされます。
今度は入れ替わりに多目的室が消えちゃったぢゃないかぁ!
やばい。
これはまじでやばい。
頭上から酸素マスクが落ちてきています。事態はただならぬ程深刻です。
様々な選択肢が脳裡をよぎります。
このまま突っ走ることはイコール重大欠陥、はいさようならです。
ここからのリカバリーはもう不可能だとさじを投げ退室、
これもはいさようならです。
先にも述べましたように、私は昨年の試験に落ちたことで
この1年間を臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の思いで過ごし、
その中で多くの方々にお世話になり、今日この日に雪辱を期してきました。
ですのでギブアップするわけにはいかなかったと言うのが
この時の最も近い感情でしょうか。
そうです。私が取るべき選択は「胴体着陸」です。
ただし、いくら製図に自信ありといえど、
恐らく時間的にもいっぱいいっぱいだろうし、
やりなおすならこれが最後のチャンスだろうと、
背水の陣で再び取り掛かりました。
もうこの期に及んでは趣味作業室の面積不足などには目をつぶり、
減点覚悟での完成に賭ける事にしました。
但し残り時間は尋常でないくらいにタイトです。
各部の表現の省略などは余儀なくされそうです。
そうして描きながらも途中
平屋部分の屋根同士が当ってしまうことに気付き、
咄嗟に一方の屋根を片流れにするという機転が利いたのは
我ながらファインプレーであったと思います。
立面図はもうほとんどマンガです。
屋根の仕上げなど細かいところはハナから諦め、伏せ図に移行します。
時計を見ると残りはわずかに70分くらいでしたでしょうか?
泣きそうな残り時間です。
つづく
○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..
Kannaでした。