ニ級建築士 製図試験 PR

親子建築士受験物語「第1話」

3年前 秋

「誰か山口邸を担当できるものはいないか!」

設計課長が少し怒り気味に言った。

最近、この会社では受注件数が増えてきて、担当者の負担が限界に近づいてきている。

 

「鈴木、お前はどうだ、あと1つくらいいけそうだろ」

「いえ、若林邸で少し設計変更がありまして、今手いっぱいです。」

 

昔は、私にやらせて下さいと言う人が多かったが、

最近の若者は逃げてばっかりだ。楽する事しか考えない。

と、心の中で課長は思ったが、

確かに、最近は残業が多くなってきているし、休日出勤もさせている。

スタッフを増やすことも検討しないといけない。そうも考えていた。

 

「近いうちにスタッフの増員を会社に要請してみる。それまで申し訳ないが

誰かやってくれないか。」

 

全員下を向いて黙っている。

 

そんな時、

「課長、私、できる範囲ですが、みなさんのお手伝いをさせて下さい。」

「えっっ!」

みんなの視線が一斉にお茶を出し終わった事務員の方に集まった。

 

続く

 

 

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