ニ級建築士 製図試験 PR

親子建築士受験物語「第2話」

右矢印これまでの話

「私、事務の仕事と言っても、割と時間を持て余していますし、

ずっと前から、設計の仕事がしたいと思っていたんです。」

「そっか、そう言えば君は、建築の学校を出ていたんだったな。

でも、やるとなったらけっこうハードだぞ。仕事を覚えるのも大変だと思うが。」

「そうですね、するとなったら中途半端なことはできないと思いますが

ちゃんと勉強しますし、どうしてもだめな時は、周りの人に助けてもらいます。」

「そうか、そこまで言うのなら、できることから手伝ってもらうことにするか。」

「部長には私から話をしておくよ。」

「はい、ありがとうございます。」

 

やりたいと言っても、彼女はもう大学に行く子供がいるほどの歳だ、

しんどくてすぐに音を上げるかもしれない。

課長はそう思ったが、なにより、彼女の気持ちを尊重したかった。

それに、他のメンバーにとってもいい刺激になるだろう。

そう思ったのだった。

 

「それはそうと、学校は出ているが、確か、資格は持っていなかったな。」

「はい、卒業後一度受験したのですが、合格できなくてそれっきりです。」

「もしよかったらだが、目指してみないか。」

「施主と打ち合わせをする時には必要になるし、それに、万が一合格したら

資格手当が付くぞ。」

「もう課長、万が一ってどういう意味ですか!?」

「そうだったな、やるからには合格する気持ちでやらないとな。すまん、すまん。」

 

そんなこんなで、彼女の建築士へに向けての挑戦が始まったのだった。

 

続く

 

 

 

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