ニ級建築士 製図試験 PR

親子建築士受験物語「第3話」

右矢印これまでのお話

「お母さん、会社で設計の仕事をすることになったの」

 

晩御飯を食べていたお父さんと息子の箸がとまった。

「えっ、まじ!? ってか、お母さん設計とかできるの?」

「大丈夫か?その家」

「お父さん、まだ建ってないわよ。それに、私が全てを任されるという訳ではないし。」

「そりゃそうだろ、家の設計がそんなに簡単にできるもんか。」

「あら失礼ね、これでも私、実家を建て替える時には、かなり役に立ったのよ。」

「そう言えば昔、建築の勉強をしてたんだったな。」

「会社でもね、図面見ながら、もっとこうした方がいいのになぁとか、

お客さんの要望をもっと取り入れるにはどうすればいいかなぁとか勝手に考えてるの。」

「お母さんすごいじゃん、建築士?」

「建築士じゃないんだけど、でも、せっかくだから資格も取ろうと思って、二級建築士。」

「それって、簡単に取れるものなのか?」

「簡単ではないわね、卒業してから随分経つし、それに図面だって描けるかどうか。」

「まあ、せっかくやる気になったんだから、やるだけの事はやってみたらいいんじゃないか。」

「ありがとう、もし資格が取れたら、手当も付けてくれるって課長さんが言ってくれたし頑張るわ。

ただ今よりちょっと忙しくなって、二人には迷惑をかけるかもしれないけど。」

「そんなの全然平気だよ、俺ももう子供じゃないんだし、それより、あんまり無理して、体

こわさないようにしてよ。」

「そうだな、どうせ1年の辛抱だろ。それくらい協力するよ。」

「二人ともありがとう。お母さんがんばるわね。」

 

 

お母さんの挑戦は1年では済まない事に

この時はまだ誰も気が付かなかった。

 

続く

 

 

 

kanna 足跡