学科試験も終わって、これからいよいよ二次試験(製図試験)の対策をはじめようか。
という方、おられると思います。
今日は、そんな方の為に、お話をしていきたいと思います。
製図試験に必要なもの
まずは、試験で必要な製図道具ですが、
最低限必要なものは、鉛筆(シャーペン)と消しゴム
です。もちろん、受験票は持参する必要があります。
えっ、それだけ?
という声が聞こえてきそうですが、そうです。これだけです。
ただ、持参していいものとして、次のようなものがあります。
- 製図板(傾斜用のまくらの使用可)、T定規、平行定規
- 直定規、三角定規、勾配定規、雲型定規
- 三角スケール、テンプレート、分度器、コンパス
- ハケ、製図用テープ、消し板、電卓
- 蛍光ペン、色鉛筆、滑り止めマット、時計(タイマー)など
アドバイスとして、
三角定規と勾配定規ですが、勾配定規があれば三角定規は必要ないです。
雲形定規はそもそも必要ないと思います。分度器もなくていいですね。
コンパスは、大きな円を描く時にあるといいですが、なければフリーハンドでもOKです。(八方くらいに点を取って、それをフリーハンドで結んでください。)
本番の試験でコンパスを実際に使用した人は、ほとんどいないと思います。
強く押さえすぎると、製図板に小さい穴が開きますので注意してください。
3.2mの円を描くという条件が出た場合、3mの円をテンプレートできれいに描くより、3.2mの円をフリーハンドで描く方が減点を受けません。
電卓は準備しておきましょう。木造課題の場合、面積の計算は、暗算の有段者レベルの難易度になります。
シャーペンや消しゴムは、複数準備しておいてください。特に消しゴムは試験中行方不明になることが多いです。(練習中でもそうだと思います。)
タイマーは音が出るものはNGなので注意が必要です。
時間の管理ですが、個人的にはアナログの時計がおすすめです。
試験会場には時計がない場合もありますので、時計は必ず持参していきましょう。特に、携帯電話を時計代わりにしている人注意です。
その他、製図試験で使用する道具については、こちらの記事も参考にしてみてください。
試験対策の進め方について
この設計製図試験の対策ですが、まず、試験で行なう内容を確認しておきたいと思います。
- 問題を読む(設計条件や作図条件の確認)
- エスキースを行なう(建物のプランを考える)
- 作図を行なう
ということで、基本的にできるようにならないといけないのは、エスキースと作図です。
したがって、エスキースと作図の練習が、試験対策においては必要となってきます。
エスキースの練習について
設計条件を確認してそれを形(プラン)にするのがエスキースです。なので、設計条件からプランを作ることができるようにならないといけません。
ここで重要なのが、基本的なゾーニングや動線の考え方です。
例えば、
- 全く日が当たらないリビング
- 隣地との視線が気になってカーテンを開けられない寝室
- 夫婦寝室を経由しないと出入りすることができない浴室
- 2畳しかない子ども部屋
少し極端に言いましたが、このような計画が好ましくないことは何となくわかりますよね。まずは、住宅計画の基本(好ましい形)を知ることが必要です。
エスキースの練習で注意したいこと
エスキースの練習で注意したい点ですが、
答えのプランを見てもエスキースはできるようにならないということです。
全く初めての場合、エスキースの方法や考え方を見に付ける段階においては、答えを見てもいいですが、いざ練習問題に取り組もう!という段階になりましたら、できるだけ、自分の力でプランを作るようにしてください。
仮にそのプランが良くないプランでもいいです。できないと言って答えを見るよりは、練習になると思います。
逆上がりができないと言って人のを見ても、参考にはなるかもしれませんが、やはり、自分が練習しないことには、できるようにならないです。
作図の練習について
作図の練習ですが、初めての場合はトレースから始めるのが一般的ですしおススメです。まずは、見本の図面を見て、その通りに描いてみてください。目標は、何も見ないで全ての図面が描けるようになることです。
少し厄介な図面が、「2階床伏図兼1階小屋伏図」それから「矩計図」です。
「2階床伏図兼1階小屋伏図」は、木造という構造を理解する必要があります。梁はどのように架けるのか、断面寸法はどのように考えるかなどです。
「矩計図」については、部材の納まりや材料の名称などを知ること(覚えること)が必要です。木造にあまり携わったことがない人にとっては、ちょっと大変かもしれません。(学科の勉強である程度は出てきたと思いますが。)
プラン図だけを見て、全ての図面が描けるようになれればOKです。
作図内容は概ね覚えた。
その次に立ちはばかる壁は、時間の短縮です。
この試験には制限時間があります。その時間内に図面が完成しなければ、未完成となり合格の可能性はなくなります。したがって、何が何でも時間内に図面を完成させなければなりません。
この時間内に描くというのが、結構厳しいのです。それなりに練習を積まないと越えられないハードルと言えます。
ただし、一度超えてしまうことができれば、その後は割と楽です。作図することが楽しくなってくることもありますよ。1枚練習するごとに作図時間は縮まっていくと思いますので、是非頑張ってください。
- 一度自転車に乗れてしまえば、乗れなくなることはない。
最後に、作図の練習における注意点
図面は、ひたすら描けばいいというものではない。
「合格するには〇〇枚以上描かないとだめだよ。」
なんてことを人から聞いたことがあるかもしれません。
そっか、じゃあとりあえずたくさん描くか。そう考える人はいるかもしれませんが、必要なことは、正しい図面(合格できる図面)を時間内に描くことができるようになることです。
極端な話、正しい図面を時間内に描くことができれば、それ以上の練習は必要ないと言えます。
反対に、合格できない図面はいくら描いても合格できるようにはなりません。
肉じゃがを作る時、醤油と砂糖の代わりに間違ってソースと塩を入れていたら、100回作っても美味しい肉じゃがは完成しませんよね。
なので、まずは、正しいレシピ(図面)を見るようにしていただきたいと思います。
まとめ
ということで、エスキースと作図の練習についてお話させていただきました。それぞれ、上達の段階によって行なう内容や注意すべき点が違ってきますので、段階に応じた練習方法で取り組んでいただきたいと思います。
今はできなくても、練習すればできるようになります。
やるかやらないか。
やはり最後はここが重要になってくると言えそうです。
是非、頑張ってください!
kanna