1.設計条件
ある地方都市の住宅地において、夫の退職を機に、
夫婦で始める喫茶店併用住宅を計画する。
計画に当たっては、次の1~4に特に留意する。
1、喫茶店部分と住宅部分とは、出入口を明確に分離し、
屋内の1階部分で行き来できるようにする。
2、喫茶店については、多目的室及び屋外テラスと直接行き来できるようにする。
3、住宅部分の1階の各要求室等については、将来の高齢化に備えて、
高齢者が使いやすい配置・動線とする。
4、建築物の耐震性を確保する。
問題用紙の左側は主に設計条件が書かれていますが、その冒頭に書かれてある
この部分を一般に「設計主条件」と言います。
この設計主条件は採点においてもウエイトが大きく、
守らなければ不合格に限りなく近づきますので、必ず守るようにしたいところです。
ただ、今年の場合は問題全体の難易度が高いという事と、
未完成の人が多いという事もあって、多少守れていなくても
他の部分がきちんとできていれば、それだけでは不合格にならないと思われます。
1 この記述は併用住宅のセオリーとも言える条件です。
練習してきた問題でも必ずと言っていい程、この条件があったと思います。
出入口が紛らわしくないように、そして、一般のお客さんが住宅側に
足を踏み入れないように、 この条件があります。
屋内で行き来と言うのは、住宅部分から店舗部分に、すぐに行く事ができるように
利便性を考えて下さいと言う事ですね。 もちろん行き来するのはこのご夫婦です。
2 この記述は具体的な条件ですね。 守らないと減点を受けやすいと言えます。
ただし、この条件だけで失格になる事は、おそらくありません。
3 使いやすい配置、動線とはちょっと抽象的な言い方です。
意識しすぎるとプランニングが難しくなってしまいますので注意が必要でしょう。
水廻り部分などをできるだけ近くにまとめるくらいに考えておきます。
手すりやスロープなどまでは必要ないでしょう。
4 過去の本試験問題にはなかった記述です。
少し戸惑った人もいたのではないでしょうか、
ただ、この記述に関しても、普段練習で行なってきた事をきちんと
行なっていれば全く問題はありません。
耐力壁の配置や伏図の検討がきちんとできていれば大丈夫と思われます。
大きいスパン(大空間)にはちょっと注意が必要でしょう。
結果的に、2の記述さえきちんと守っていれば、後はほぼいつも通りに考えれば、
プランニングはできたかと思われます。
初めて見る記述があったりすると動揺してしまいがちですが、
それが試験元のねらいでもあったりしますので、冷静に対処したいところですね。
次回は敷地条件を見ていきたいと思います。
それから、再現図面ですが、描きたいけど時間が取れなかった方、
もう少しなら大丈夫です。 是非自分の作品を将来に残しておいて下さい。
kannaでした。